夢見るデリジョン 496 View (2023-06-26 22:54)

スクートヘンダーソン: 唯一無二

はじめに


最高の才能、スクートヘンダーソンはTrailblazersに3位で指名された。Gリーグイグナイトでのラストシーズンをスタッツから振り返って、スクートが来年ブレイザーズでどのような役割を果たすのか考えてみよう。



成熟した19歳: 現在地


大雑把に見てみよう。右に行くほど、赤になるほど良い数字であることを示している。19歳という年齢でありながら、彼がgリーグ上でインパクトのある選手だったことが伝わる。その中でも、最も目立つのはプレーメイク支配力だ。彼の最大の強みであるプレーメイクについて詳しく見ていこう。



並外れたアシスト能力: プレーメイクの分析


アシスト
ターンオーバー

圧巻のAST%は91パーセンタイルを誇り、彼がどれほど優れたハンドラーかを表している。スクートのプレーメイクに課題があるとすればターンオーバーだ。下の図を見て欲しい。水色の点線は近似直線を表すが、スクートのプロットは下に割ってしまっている事がわかる。つまり同レベルの他のプレイメイカーよりもターンオーバーが多いのだ。



幸運なことにこの課題の見通しは明るい。下の図は年齢とターンオーバーまたはAST/TOとの関係を表し、点線は年齢別の平均を表す。見ての通りハンドラーは年齢と共に成熟し、ターンオーバーを減らす。特に19-21歳の間でこの変化は凄まじい。そして、スクートはまだ19歳だ。彼はターンオーバーを減らし、より効率的なハンドラーに成長するだろう。



唯一無二 : リバウンドの分析


リバウンド
アシスト
フィジカル

リバウンドも彼の武器だ。下のプロットはリバウンドとアシストでgリーグのガードたちをプロットした結果だ。プロットの左側を見れば、彼より優れたリバウンダーが多くいる事が分かるが、それと同時に2試合以上プレーした中で彼のプロットよりも右上にいるのはShaqだけであることも分かる。しっかりとPGの役割を果たせる選手がリバウンドに強いのは唯一無二だ



特別なのは19歳ということだ。下の図は年齢とリバウンドの関係を示している。彼は同じ年齢の選手を大きく上回っていることはもちろん、19-21歳の間でREB%の平均が線形に上昇している事が分かる。これは恐らくフィジカルやサイズの向上に依るものだが、彼のフィジカルが既に十分なレベルにいることを示している。そしてもしリバウンドの向上に他の理由があるならば、彼のリバウンドはまだ伸びる可能性がある。



傑出した支配力 : USGの分析


支配力
効率性

支配力も圧巻であると下のプロットは主張している。USG%は92パーセンタイルの位置にいる。19歳で既にリーグでTOP10%の支配力を持っているということだ。シュートは効率は25パーセンタイルとあまり良くないが、支配力を考えれば十分な数字と言える。そして、そもそも若いプロスペクトにとっては効率性はさほど重要ではない。



根拠を示そう。下のプロットを見ると分かるようにTS%は年齢と線形増加の関係にある。これはシュート力の成長とセレクションの良化からくるものである。特にこの手のグラフを読む際に注目すべきことはgリーグのトッププロスペクトはすぐにgリーグを卒業するということだ。それを考えれば、これがいかに線形増加するのか、見て取れるだろう。



最高の才能 : スコアリングの分析


オンボール
オフボール

馬鹿げた支配力を19歳にして持っている理由はオンボールでのクリエイト能力だ。FTAとFGAの関係を下の図に示した。優れたスコアラーは多くのアテンプトをして、多くのファールを貰う。スクートのプロットはかなり右側にいるが、それでもなお近似直線より上にいる。スクートは既に多くのアテンプトをして、多くのファールを貰う優れたスコアラーなのだ。



成長著しいのはオフボールで、オフボールとオンボールが共に高いレベルにいることが彼を最高のプロスペクトにしている。特に目立つのは3Pショットにおけるアシストされた割合の伸びだ。これは彼がシューターとして成長していることを示す。また、3Pショットの割合自体を増やしており、これは彼がシュートレンジを拡大させていることを表す。同様にターンオーバーからの得点も増やしており、これはディフェンス意識の改善を意味するかもしれない。



甘い誘惑 : シューティングの分析


フィニッシュ
ジャンパー

長所を多く説明してきたが、それらは特異的なフィニッシュ能力から来るものだ。下の図はリムからの距離とシュートスタッツの関係を示す。スクートは8ft.より近い距離で60%に近いショット効率を示している。高いレベルのリムフィニッシュは多くの得点を生み出し、多くのファールを引き出す。フィニッシュ能力が彼が特別である理由だ。



課題はもちろんある。上のプロットはフィニッシュの強さと同時に、距離が遠くなるに連れてFG%が線形に劣化してしまっていることも教えてくれる。ただこれをショットセレクションが悪いと断ずるのは楽だが、危険な選択だ。下のプロットを見て欲しい。19-21歳の若い選手にとってシューティング能力は大きく伸びやすいポイントの一つだと説明している。この年齢の選手にとって大切なのはスペースをクリエイトし、ジャンパーを放つ能力だろう。スクートの場合、アテンプト数は多くミッドレンジの合計は8ft.より近いショットよりも多い。私は彼のシュートは伸びると確信しているが、これからの彼を見守ろう。



越えるべき壁 : ディフェンスの分析


リバウンド
ブロック
ディフェンス

弱点はディフェンスだ。DWSは明らかに中央値を割っている(下図)。そして年齢と共に向上するような一般的な傾向はない。ただ、身長が低いからといってディフェンスが上手くならないということではない。彼よりも小さいデニスミは昨年、PGとしてはカルーソに次ぐディフェンススタッツをマークしている。結局のところ彼次第だということだ。



潜在能力はある。%STLは並程度だが、%BLKは素晴らしい(81パーセンタイル)。また、先に説明したようにリバウンドも強い(79パーセンタイル)。彼の運動能力やフィジカルは、今後ディフェンスの向上を期待するのに十分と言える。ただこれは全て彼次第だ。彼がディフェンスという課題にどう向き合っていくのか、注視していきたい。



まとめ


プレーメイク
リバウンド
フィジカル
オンボール
オフボール
フィニッシュ
ブロック
ディフェンス
ターンオーバー
ジャンパー
ディフェンス

スクートは19歳と思えないオフェンス完成度で3位指名という評価を勝ち取った。非常に成熟したパス能力と圧倒的なスコアリングの才能をブレイザーズで見られることにとても興奮している。同年代のShaedon Sharpeはプレーメイク能力を持つフィニッシャーで、スクートはフィニッシュ能力の高いプレイメイカーだ。彼らのフィットは言うまでもなく、これから本当に楽しみだ。


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