ショットクリエーション

　ガードレベルのスキルセットを持ち合わせており、それを生かしたアイソレーションが得意である。シュート能力にも自信をもち、リムへの到達能力も高い。フロアのどこからでも得点が期待でき、上位候補にも引けを取らない得点能力だ。数字でみてもUSG:31.6%、TS:52.8%と高水準を記録している。また、得点能力のわりにTOVが少なく(TO%:12%)、そのスキルの高さを表している。FTも取れると書かれているが、ft/fgaは0.31と標準的な数字だった。

シューティング

　基本的なシューティング能力が高く、FT:78.2%を記録している。先述のショットクリエーションにもつながるが、タフな状況でのシュートが多い割に、3Pの確率は33%と良い。すでにNBAレベルのシューターだと言える。クイックでサイズがあるため、狭いスペースでもシュートを放つことができる。

リバウンド

　Dreb%:18.1を記録しており、ガードとしても使える選手の中では際立ったリバウンドの強さを見せている。積極的なリバウンダーの一人であることがフルゲームからも分かる。ただ、同じD1でもトーナメントに出場するような大学とはフィジカルレベルが違うことには留意しておく必要がある。実際にメンフィス大にいたルーキーシーズンは11だった。この数字の違いが、成長から来るのか、はたまたリーグレベルの違いなのか定かではない。しかしながら、現状良い数字を残していることを悲観する必要はないだろう。

ボディーフレーム

　リファレンス先では6ft9と掲載されるウィングスパンは身長以下で、NBAプレイヤーの平均は104%と言われているのでかなり短いことが分かる。特に2019の公式計測では202cmだった。また、体重も82kgと軽くフィジカル面も不安視されている。これらのボティーフレームの問題が彼の評価を下げる原因となってしまっている。
　身長は高いが、実質的なサイズではウィングというよりはSGと言えるだろう。

身体能力

　2019年の計測では垂直ジャンプの計測も62cmとなっており、アスリートとしてはやや物足りない結果となった。NBAの平均は71cmと言われており、これは跳躍力で劣るセンタープレイヤーの記録も含むものだ。実際のガードではより高いことが想定でき、彼の身体能力はNBAではないと言わざる負えない。ただ、最も重要なのは最高到達地点であるので、あまり期待はできないが、コンバインが楽しみである。スタンディングリーチ次第では評価を変えられるかもしれない。

ディフェンス

　リファレンス先では誉められているが、実際の数字は首をしかめている。DBPMは2年連続でマイナスを記録しており、特に今年は-3.1と数字を大きく悪化させている。ウィングプレイヤーとしてはBLK%が1.8と低く、試合を見てもボディーフレームの影響が災いして、良いディフェンスをしているように見えてもショットを決められたり、ブロックが届かなかったり、というシーンをよく見る。現状ではNBAレベルとはいえず、今年のNBAで最低のDBPMが-2.6であったことを考えると、残念ながら最低のディフェンダーとなると予測される。

高校時にはNo1プロスペクトで、実はシェイドンと同じく学年を早めているので2年目とはいえ、ルーキーと同じ年齢だ。ルーキーのスコアラーとしてはおそらくキヨンテやニックスミスと比較されることになるが、現状の完成度は上だと言える。これはポテンシャルが低いという意味ではなく、スコアリングポテンシャルは全く劣っていないだろう。しかし、即戦力と言える選手ではなく、ディフェンスポテンシャルも感じにくいためブレイザーズが指名権を使うとは考えづらい。とはいえドラフト外では獲得する可能性は大いにある。このカテゴリーの中でオフェンスに大きく貢献できる選手はほぼいないのではないか。そもそもドラフト上位以外で即戦力を狙うというのはほぼ無理な話だから。